
今回は、Release 34.0で追加された新機能「スクラッチデータシート」について解説します。ExcelデータとSalesforceのデータを並べて照合・分析することも可能になった「スクラッチデータシート」。その具体的な活用例や作成手順をわかりやすくご紹介します。
※Mashmatrix Sheet 34.0 リリースニュース
https://www.mashmatrix.co.jp/blog/information/mashmatrix-sheet-34-0-release/
【こんなことはありませんか?】
- 一時的にデータを利用したいが、Salesforceオブジェクトの準備が面倒
- SalesforceのデータとExcelのデータを組み合わせて使いたい
【スクラッチデータシートを使うと..】
- Salesforceオブジェクトの準備をしなくても、すぐにデータを登録でき、設定作業の時間を短縮できる
- SalesforceデータとExcelデータを組み合わせて活用でき、 分析や集計などデータ活用の幅が広がる
「スクラッチデータシート」とは?
シートを作成する際に、既存のSalesforceオブジェクトを選択するのではなく、シート内でゼロから(スクラッチで)データを追加・保存ができるシートです。
Salesforceオブジェクトを事前に準備していなくても、ExcelデータをCSVファイルとしてインポートすることで、簡単にExcelデータからシートを作成でき、フィルタやソート、数式列の追加など、通常のシートと同様の操作が可能です。さらに、参照値を指定することで、他のシートとの連動も実現できます。
※ 追加できる列の種類は「データ列」および「数式列」のみとなります
「スクラッチデータシート」の特長
- 特定のSalesforceオブジェクトにデータを紐付ける必要がない
- 白紙の状態から自由に列やデータを追加できる
- CSVファイルをインポートしてシートの一括作成ができる
「スクラッチデータシート」の活用例
活用例①:完了予定日で商談を自動的に絞り込む画面を作成
スクラッチデータシートにフィルタの条件となる値(期間)を登録し、Salesforceデータシートのフィルタにその値を参照値として設定することで、選択された期間に応じて表示されるレコードが自動的に切り替わる画面を作成できます。

活用例②:外部の企業情報を付加したリードのリストを作成
外部の企業情報データをスクラッチデータシートにインポートし、Salesforceのリードに登録された法人番号と企業情報データをVLOOKUP関数で照合することで、外部の企業情報と内部の営業データを統合したリストを効率よく作成できます。
※[Salesforce] 数式列が進化!VLOOKUP関数で他のオブジェクトのデータをシート内に結合して表示しよう!
https://www.mashmatrix.co.jp/blog/function-introduction/vlookup-function/

活用例③:外部システムの購買データを使って顧客ごとの金額を集計
外部システムから出力した購買履歴データをスクラッチデータシートに取り込み、メールアドレスなどの共通キーでSalesforce内の顧客情報と照合します。SUMIFS関数を使って顧客ごとの購買金額を集計し、合計金額でソートして有力顧客を抽出するなどの活用が可能です。
※[Salesforce] 数式列が大幅強化!集計関数の利用方法とユースケースをご紹介
https://www.mashmatrix.co.jp/blog/function-introduction/aggregate-function/

今回ご紹介したものは、ほんの一例にすぎません。皆さまの業務内容や扱うデータに応じて、多様な活用法が考えられます。
次に、スクラッチデータシートの具体的な作成方法を見ていきましょう。
「スクラッチデータシート」の作成方法
スクラッチデータシートを作成するには、通常のシートの作成と同様にシートタブの右横の新規シート作成ボタンをクリックしてメニューから「シートを追加」を選びます。
1.シート作成ダイアログ内に表示されているタブから「スクラッチ」タブを選択する
2.作成するシートの「タイトル」を入力する

3.「初期列の設定方法」を選択する
(a)白紙状態から列とデータを作成する
まったくのゼロの状態から自分でシートの列やデータを登録
(b)ヘッダ付きのCSVファイルをインポート
CSVファイルをインポートして列の作成と同時にデータを登録
「白紙状態から列とデータを作成する」を選択した場合、「作成」ボタンをクリックするとスクラッチデータシートが作成されます。
「ヘッダ付きのCSVファイルをインポートする」を選択した場合、ファイルの選択コントロールが表示されます。
以下は、CSVファイルをインポートして作成する場合の手順になります。
4.ファイルダイアログでCSVファイルを選択するかドラッグ&ドロップすることでCSVファイルを取り込む

CSVファイルを取り込むと、ヘッダ行と先頭3件のレコードが表形式でプレビュー表示されます。1行目はヘッダとして認識され、列ラベルとして使用されます。
プレビュー表示時には、CSV内のデータを自動解析して、最適と思われるデータ型が推定されます。推定されたデータ型が異なる場合など、必要に応じてプルダウンから正しいデータ型に変更することができます。

注)取り込むファイルに問題がある場合には、エラーが表示されますので、ファイル形式を確認してください

5.プレビューを確認して「作成」をクリックする
6.スクラッチデータシートが作成される
「シートの設定」> 「基本」タブをクリックし、データソースが「スクラッチ」になっていることを確認します。

「スクラッチデータシート」への列の追加
作成したスクラッチデータシートには、通常のシートと同様に、列ヘッダメニューの「列の追加」から列を追加できます。追加できる列は「データ列」と「数式列」のみになります。
データ列は、スクラッチデータシート内でのみ利用可能なデータを追加できます。
また、データ列がシートから削除されたり、データ列を含むシート・ブックが削除されると保存されていたデータは失われます。
数式列では、通常のシートでの数式列と同様に列の値や関数を利用できます。
ただし、Salesforceオブジェクトの項目を数式内で参照することはできません。
「スクラッチデータシート」の制限について
- 各データ型ごとに追加できる列数は最大20列まで
- 同一のデータ型の上限を超えるとエラーが表示されます - 「テキスト」および「テキスト(複数列)」型の列には、最大255文字まで
- 超過したデータはCSV取り込み時にエラーとなります - CSVファイルから取り込める最大レコード数は1,000件まで
- 1,000件を超える場合は、シート作成後にコピー&ペーストで一括追加してください
まとめ
Mashmatrix Sheetにおける新しいデータ管理の方法として加えられた機能である「スクラッチデータシート」は、Salesforceオブジェクトに依存せず、柔軟にデータを取り扱える新しい選択肢です。
一時的なデータ利用はもちろん、Salesforceの既存データと外部データを組み合わせた分析やデータ集計、レポート作成にも活用できます。
Mashmatrix Sheetは、バージョンアップを重ねるたびに、より幅広く、さまざまなSalesforceの業務シーンで活用できるようになっています。皆さまの業務内容や用途にあわせて、今回ご紹介した「スクラッチデータシート」もぜひお試しください!
Mashmatrix Sheet の最新バージョン(Release 34.0)については、リリース資料をご確認ください。